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一匹+一人で一人前です。
◆犬:レディオ(♂享年16さい)
「あなたの生活プライスレス」を日々実践する俺様なM・ダックス。シニアになっても暴れん坊将軍♪ ◆ご主人:6969(♀) レディオの飼い主。酒&音楽を愛するひきこもり系ダメ人間。でもでも∪・ω・∪を愛する気持ちはたっぷりありますよ いい年こいて最近はフィットネス三昧。 ご意見・苦情等ございましたら メールにて犬小屋までお手紙くださぁい♪∪・ω・∪/ カテゴリ
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2004年 10月 25日
駆け込み寺のようにスライディング決めて・・・書いてみました、恋文。
おかげでつたなさ倍増、のradio6969です、こむばんは・・・ ----------------------------------------------------------------------- 打ち合わせを終えて、依頼人と店を出たのは1:00am。 さっさと自分のホテルに帰ろうかとも思ったが、せっかく久々に来たこの街を もう少し散策してみたい。 ほろ酔い気分も手伝って、行き先も決めずにネオンの中をふらふらと歩いた。 見上げれば、少し膨らんだ半月が、眩しすぎるネオンに負けじとその光を主張している。 10月も終わりに近づいている。吹いてくる風もけして涼しいとは言えない温度だ。 背を丸めて上着の襟を立てながら、小道を右へ左へ気の向くままに進む。 次第にどこを歩いているかさえおぼろ気になってくる。 ふと、小窓からこぼれる暖かそうな光に目が入った。 木製の枠に囲まれたガラスの中を覗いてみると、人々が楽しげにグラスを傾けている。 ちょうどいい、ここで一杯くらい飲みなおしてついでに帰り道を尋ねるとしようか。 ドアを開けて店の中へ入ると、 そこはブリティッシュ・パブを真似たような造りのバーだった。 「いらっしゃいませ」 穏やかなトーンの声がカウンターから聞こえた。 見渡すと、床もテーブルも椅子もすべてがチョコレートブラウンで塗られており 天井からはチューリップをぶら下げたようなランプが、優しいオレンジ色を空間に与えている。 カウンターに座り、「フォアロゼブラックをロックで」と注文する。 軽く頷いて微笑むマスターは白髪交じりの髪を上品に撫で付けており 白いシャツに黒いベスト、というお決まりの格好もなかなかサマになっている。 煙草を取り出し火をつけると、背後で音楽が流れだした。 振り向くと、端整な顔つきの男がグランドピアノを前にメロディを奏でている。 この曲はたしか・・・そう、「星影のステラ」だ。 静かなバラードだというのに、ピアノマンは時折自分の鼻歌も交えながら 思い切り鍵盤を叩いてアレンジを展開している。 楽しそうなその様子に、苦笑いをまじえ微笑みつつ眺めていると、ピアノの 隣に人影があることに気づいた。 ひとつだけ窓際に置かれた椅子とテーブル。そこに座っているのは一人の女性だった。 頬杖をついたまま、机上に置いた本に長い睫を落として文字を追っている。 たまにグラスに手を伸ばし、カラリを音を立てて飲み干す姿はなかなか魅力的だ。 スカートから伸びるすらりとした脚、その先を彩るヒール。 本のページをめくる爪先にも、綺麗なマニキュアが施されている。 窓から差し込む煌々とした月の光が、彼女の背中を照らし不思議な空間を作っていた。 「はい、どうぞ」 その声で我に返り振り向くと、マスターはグラスを差し出した。 グラスを受け取り、口に含むと、喉に豊穣の甘みとその熱が広がる一時を楽しむ。 旅先でのバーボンを味わいながら、もう一度マスターに声をかけた。 「・・・あのさ。窓際の彼女にも一杯プレゼントしたいんだけど」 「え?・・・あの・・・どなたに、でしょうか」 「窓際のテーブルの彼女だよ。ほら、あそこで本を読んでいる・・・」 そう言って振り向くと、そこには誰もいなかった。 窓際のテーブル、一つだけの椅子。月の光と店内の照明が混じった、静かな場所。 「お客様・・・この時間に酔いすぎとはお体に禁物ですよ」 マスターは笑いながらそう言って、奥の厨房に行ってしまった。 店内では、チェスやカードゲームに熱中する者、噂話をささやき笑いあう者、 愚痴をこぼしながらグラスを何度も傾けテーブルを叩く者、 そしてひたすらピアノに向かって音を奏で続ける男。 私は夢を見ているのだろうか? 誰もあのテーブルには近づかない。 無人のテーブルに近づき窓の外を見ると、 月の光は小さくなり、しかしペイズリー模様のような雲を従えてまだ光を放っていた。 翌日、ホテルのチェックアウトを終えて二日酔いを抱えつつ、私は新幹線に乗った。 目を閉じて昨夜のシーンを思い出す。 彼女は幻だったのか。 いいや・・・そもそも、あの店は本当にあったのだろうか? ホームでの別れ際に依頼人にその話をしたが、笑って済まされてしまった。 人々がそれぞれの時間を味わう店。 まるでその世界の外れにいるように、ページをめくり酒を呑んでいた彼女。 ただ、店の名前だけは確かに覚えている。 その店の名は・・・ 「MS.POKERFACE」 パラダイス・カフェ 中島みゆき 瀬尾一三 / ヤマハミュージックコミュニケーションズ ISBN : B00005J4RF ----------------------------------------------------------------------- *****恋文祭り、届けこの想い***** お題の相手ブログに向ける、恋するフィクション恋文コンテスト。 そうです、この恋文は、フィクションです! 揺さぶれ、心。 あしらえ、魂。 笑いを取るも良し。 感動を呼ぶも良し。 選考は、お題の相手に決定権を委ねましょう! 優勝者は、次回のブログ指名ができます!! 開催期間: 先着30トラバあるいは掲載から一週間。 審査員: お題ブログの製作担当者 審査方法: お題ブログの製作担当者からの、返信トラバにて決着! ※審査員からの返信依頼は、当座は企画元の悪魔こと、MenCが責任を持って行います。 あくまでも、フィクション恋文という姿勢を崩さないよう、 参加者の皆さんは気持ちをしっかりと持って、本気にならないように。 エスカレートして、ストーキングに走らないよう、超気をつけて下さい。暴走は厳禁です!! ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。 *******************************
by radio6969
| 2004-10-25 20:58
| 言語のぼやき
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